長引く症状を最短で治すには

『ここはダメだ。他に自分に合った治療院はないものか』そう考えて、今度はまた別の治療院へ・・・。

長引く症状で悩んでいる方の特徴で、この様なドクターショッピングは珍しくありません。必死で治したいあまり、不安になっている方もいらっしゃいますが、1、2度の施術でコロコロと治療院を変えるのは、お金と時間の無駄にもなります。

長引いている慢性症状を最短で治したいなら、やるべき事は『治療院探し』よりも『通院を何度か続ける』事の方が重要です。

理由を説明すると、急性と違い慢性は一方向的に改善しないからです。

怪我などに代表される急性症状の治り方は、悪化する別の要因（負荷や感染など）が無い限り10→5→0の様に不調は一方向に軽減していきます。

骨折を思い出すと良いのですが、受傷した日をピークに徐々に軽減して回復していきます。負荷や感染を加えない限り悪化する方には向かいません。

しかし、慢性症状（腰痛や頭痛、IBSやFD、不眠や眩暈なども）の場合、その治り方は急性と異なり、10→5→8→4→6→3→4→2の様に悪化と軽減を繰り返す傾向があります。これは全ての慢性症状に言える特徴です。

慢性を知らない多くの方は『施術を受けると一旦は良くなるけれど、直ぐにまた悪くなるから、結局あそこは効果がなかった』と思われます。それは急性と慢性を同一視してしまっているからです。急性と慢性は同じ様な症状でも、治し方も経過も違うのです。

一番まずいのは、10→5→10と元の状態に戻る事です。5の時に無理をすると10に戻ります。これを『ペーシング問題』と言って慢性が治り難い原因の一つです。なので、施術者は10に戻らないようにアドバイスをしなくてはなりません。

それを出来るのが2回目や3回目の施術をする時です。初診時に患者さんの生活の癖や、今後の経過全てを見通すことは誰にもできません。

悪化の戻りは避けられませんが、10に戻らなければ9や8でも良いのです。少し長い目で見て改善傾向にあれば構いません。

だいたい、私が『ここはもういいや』と判断する基準回数は『3～5回』です。

3回～5回施術を受けて、1も軽減していないなら、それ以上通う意味はないでしょう。そもそも慢性症状を知らなそうな治療院には行かない事です。

当院の様な隠れ整体院は、患者さんの『口コミ』と『ご紹介』で成り立っているので、早く治せないのは死活問題にもなります。

患者さんがそうであるように、施術者の希望も同じく『最短で治したい』です。

『何回も通ってもらう方が儲かるから、それは嘘だ』と疑うかもしれませんが、それは誤解です。

『中々良くならない治療院』と『早く治る治療院』どちらに通いたいですか？

私なら早く治る方です。こう言っては何ですが、売り上げを考えても１人の患者さんが10回来てくれるより、10人の患者さんが2回来てくれる方が儲かります。早く治す方メリットはこちらにもあるのです。

慢性症状を最短で治したいなら、アドバイスを忠実に実行して、改善や悪化に一喜一憂せず、改善傾向に導いてくれるなら多少時間がかかりそうでも、そこに通う事です。一発逆転はありません。

地道な努力。結局それが最短ルートです。