イスラエルの歴史研究家「ユヴァル・ノア・ハラリ」氏に学ぶ人間関係

先日、イスラエルの歴史研究家「ユヴァル・ノア・ハラリ」氏のインタビューニュースを見て非常に感銘を受けました。

ハラリ氏はイスラエル人でありながら、現在パレスチナとの戦争が行われている状況を、必死に俯瞰して見ようと努力していました。

私には戦争ほど大きな状況を上手く語ることはできませんが、氏がおっしゃっていた言葉や心の持ちようは、国ではなく個人でも同じ面があるのではと思い今回の題材とさせていただきました。

内容を要約して国を個人に置き換えると以下の様になります。

人と人との付き合いは、長ければ長いほど複雑です。

どちらか一方が被害者で、どちらか一方が加害者という事は絶対にありません。

人間関係に絶対正義や絶対悪はなく、どちらも被害者であると同時に加害者でもあるのです。

自分が絶対正義であると信じている人は、必ずいつか他人と争う事となるでしょう。

なぜならば、自分が正しいと信じる人は、他人の意見に対して「譲歩する」という考えが出来なくなってしまうからです。

相手に傷つけられた過去があるからといって、同じ様に相手を傷つけ、自分の行いを正当化してはいけません。

それは相手と築く未来を救う手段ではなく、過去への報復だからです。

「苦しみの海」にのまれている人の心は痛みで満ちていて、他人の苦しみを感じ取ることができません。

本当に重要なのは平和のための「心のスペース」を保つことです。

その心のスペースでは、あなただけではなく、相手も休まることができます。

当事者として客観性を持てないかもしれませんが、常に理性的であろうとする努力を怠ってはいけません。

理性をもって意識すべきは、あなたがどんな「感情の種」を相手に植え付けているのか？そして、どのような感情を相手に育てようとしているのか？を常に自問自答しなければなりません。

恨みや憎しみ、不安や恐怖の種なのか？それとも、愛や慈しみ、安全や安心の種なのか？

それらを自分の一言一言で相手に語っている自覚をしなければなりません。

それらを行うためには感情と理性、そして思考と言葉を発する口との間に「壁」を設ける必要が有ります。

一度口から発せられた言葉が戻ることはありませんので、直情径行ではなく、きちんと冷静にならなければなりません。

誰の心にも暴力的な感情や、憎しみや悲しみの感情はありますが、どうすれば平和への道が開けるのか、責任をもって注意しなければならないのです。

みたいな・・・。

ちょっと個人的なまとめ方になってしまいましたが、こんな感じです。

国と個人、宗教と個人の価値観、規模の違いはありますが、解決の仕方にはさほど違いはないように思えます。

ハラリ氏の言葉を聞いて、私も自分の発言の先で、相手の心にどのような種を植え付けているのだろう？とよく考えるようになりました。

長年の関係性の問題を解決できる「答え」は、一度禍根が残った以上おそらくありません。

それでも「解決しようとする姿勢」を怠らないことで、限りなく答えに近づくことはできます。

未来のために、幸せのために、相手を許す「心のスペース」を保ち、善い種を植える。

そんな関係には、さぞ素敵な花が咲くのでしょうね。