戦う場所と逃げる場所

人生は戦いの連続です。

勉強、進学、就職、仕事、出世、恋愛、育児、介護、闘病。

全てにおいて『何か』を相手にしたり、競ったりします。

様々な環境、逆境、ピンチ、チャンス。

戦う相手が何であれ、どういうシチュエーションであれ、正面から向き合ってやるしかない時は、とても怖いものです。

私の場合、仕事と向き合う中で怖いと感じる事がその都度ありました。

1～5年目くらいまでは、今の様な知識も技術もなく患者さんを診ること自体が怖かったです。

なので、どんな症状でも診られるように毎日勉強を2時間すると決めて今日まで実践し、ある程度は克服しました。

5～10年目くらいまでは、同年代や同業と給料や出世を比べるのが怖かったです。

なので、頑張って（？）虚勢や見栄を張って「今に満足している自分」を演じました。

そして、15年目くらいの今も「怖い相手」と向き合ってビビッています。

治せない患者さんを診る事も、他人に負けてしまう事も、確かに怖かったですが今はそれではありません。

おそらく皆さんにも共通して言えると思いますが、常に一番怖いのは『自分にできるのだろうか？』という問題に向き合う時です。

自分と正面から向き合って戦う時です。

自信の無さも、意志の弱さも、小賢しい言い訳が上手な所も、全て知っていて誤魔化しがきかない「素の自分」と戦うのが、私は正直死ぬほど恐ろしい。

「誰か代わってくれ！」と逃げ出したくなる気持ちは、患者さんに関わらずみんなが持っている本能のはずです。

世の中には、弱い人は居ますが強い人は居ません。

強くなりたいと頑張っている弱い人が、周りからは強い人に見えるだけです。

自分は戦っていると思っていた場所が、実は逃げている場所だった。なんて事はよくあります。

私の場合、他人と戦って、飾った自分に逃げていましたからね。

そろそろ、逃げ続けてきた自分と向き合って戦って、頑張って疲れたら家族や友人に逃げて慰めてもらおうかと思います。

それができたら、まだまだ成長できそうです。