自律神経失調症とは、検査では異常が見つからないにもかかわらず、さまざまな不調が現れる状態を指します。
人によって症状の出方や感じ方が異なり、はっきりとした原因が特定しにくいのが特徴です。
ここでは、自律神経失調症について整理していきます。
自律神経は、呼吸・心拍・体温・消化などを無意識にコントロールしています。
そのバランスが崩れることで、身体にさまざまな不調が現れる状態を「自律神経失調症」と呼びます。
特定の病名というよりも、検査で明らかな異常が見つからないのに現れる「不定愁訴」をまとめた診断名として使われることが一般的です。
症状は人によって異なり、身体面と精神面の両方に現れることがあります。
自律神経失調症は、病院で検査をしても「異常なし」と言われることがあります。
これは、臓器や組織に明確な異常があるわけではなく、機能のバランスが崩れている状態だからです。
血液検査や画像検査で捉えられるような器質的な問題ではなく、神経の調整機能の問題なのです。
そのため、見た目には問題がなくても、本人にとってはつらい症状が続くことがあります。
自律神経の乱れが続くと、身体が過敏な状態になり、ちょっとした刺激にも反応しやすくなります。
この状態が続くことで、不調が長引くことがあります。
通常なら気にならないような小さな変化にも反応しやすくなり、回復しにくい状態になっています。
たとえば、少し疲れただけで症状が強く出たり、天候の変化や気温差に敏感になったりします。
身体の「許容範囲」が狭くなっている状態と言えます。
「不調 → 不安 → さらに不調」という悪循環が起きやすくなります。
症状を意識するほど強く感じやすくなり、「また症状が出るのではないか」という予期不安が、実際に症状を引き起こすこともあります。
この悪循環を断ち切るためには、症状に過度に意識を向けすぎないことも大切になります。
自律神経失調症については、いくつかの誤解があります。
「気のせい」「考えすぎ」と言われることがありますが、実際に身体に不調が起きている状態です。
本人の意思とは関係なく、自律神経の調整機能が乱れることで起こっています。
検査で異常が見つからないからといって、症状が存在しないわけではありません。
「気持ちの問題だから、頑張ればどうにかなる」というのも誤解です。
むしろ、無理に頑張るほど交感神経が優位になり、症状が悪化することもあります。
自律神経は意識的にコントロールできるものではないため、「気合い」や「根性」で解決しようとしすぎないことが大切です。
自律神経失調症は、原因を一つに特定して解決するものではありません。
身体全体のバランスを整えていくことで、少しずつ回復に繋がっていきますので、焦らず、無理をせず、整いやすい状態をつくっていくことが大切になります。
「治す」というよりも、「身体が自然と整う環境を作る」という視点で向き合うようにしましょう。
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