整体の役割

 

自律神経の不調に対して、整体には整体の役割があります。
 



整体で自律神経は整うのか?

施術の様子(お腹に優しく触れる)

結論からいうと、整体によって自律神経そのものを整えたり、自律神経の不調を治したりできるとする十分な根拠は、現在のところ確認されていません。

そもそも「自律神経の乱れ」は、何か一つの治療によって直接整えるという単純なものではないからです。

中には「〇〇で自律神経を整える」「〇〇で自律神経の不調を改善する」といった表現を見かけることもあります。

もし本当にそれだけで改善できるのであれば、当院としてもそうお伝えしたいところですが、残念ながら、それを裏付ける十分な科学的根拠は確認されていません。

整体院サンテでも、「整体で自律神経の不調を治す」といった考えで施術を行っていません。

しかし、整体がまったく無意味かというと、そういうわけでもありません。

整体には、自律神経の不調を整えていく上で、別の役割があります。


整体の役割は「リラクゼーション」

カーテンを開け朝日を浴びる女性

整体の役割のひとつが、「心身をリラックスさせること」です。

身体に触れられて心地よいと感じたり、筋肉の緊張がやわらいだりすることで、施術中に眠ってしまう方も少なくありません。

自律神経は、緊張しているときとリラックスしているときで働き方が変わります。

不安やストレス、睡眠不足などが続くと、身体も緊張した状態が続きやすくなります。

反対に、リラックスすると呼吸がゆっくりになったり、筋肉の力が抜けたり、心拍数が落ち着いたりと、身体にもさまざまな変化が起こります。

自律神経そのものを整えるのではなく、こうした心身が休まりやすい状態をつくることが、整体の本来の役割になります。


なぜ整体で楽になることがあるのか?

自然の中で朝日を浴びる女性

整体の役割は、治療ではなくリラクゼーションですが、整体を受けたあとに自律神経の症状が楽になることがあります。

当院でも、整体を受けたあとに、「症状が改善した」「症状が軽くなった」など、ご報告をいただくことは珍しくありません。

ここが、整体=治療のように勘違いされる理由の一つだと思います。

症状を引き起こす要因が多数あるように、症状を軽減・改善させる要因もまた多数あります。

確かに、施術後に症状が楽になることはありますが、それだけで整体そのものに治療効果があったと判断するのは早計です。

身体は、リラックスすることで緊張や不快感がやわらぎ、筋肉のこわばりや呼吸、心拍、胃腸の働きなどに変化が起こることがあります。

その結果、それまで難しかった睡眠や食事などの生活改善につながり、その積み重ねによって症状が楽になった、と捉える方が自然でしょう。


症状が楽になるのは整体の効果?

整体と自律神経の不調の関係図

症状が楽になれば、施術者としては「整体が効いた」と言いたくなるところです。

その変化を「整体の効果」と捉えるかどうかは、施術者によって考え方が分かれるところでしょう。

しかし、症状にはさまざまな要因が関係していますので、当院では、施術後の変化をすべて整体の効果として捉えることはしていません。

整体が直接症状を治したのではなく、リラクゼーションによる心身の変化が、その後の生活や行動に良い影響を与え、結果として症状の軽減につながることがあるということです。

ここで重要なのは、こうした変化はあくまで「可能性」であり、すべての人に同じ変化が起こるわけではないという点です。


改善を目指すための「それぞれの役割」

QOL向上のための日常生活の取り組み

誤解なくお伝えしたいので、臆さずに言いますが、改善の可能性を高めるためには、ご本人の行動が欠かせません。

整体が症状の軽減や生活改善の一助となることはありますが、整体を受けるだけで生活そのものが変わるわけではないからです。

整体にできるのは、心身が休まりやすい状態をつくり、その行動を後押しするところまで。

睡眠時間の確保・食事の見直し・適度な運動など、実際に行動するのはご本人です。

もちろん、その取り組みを支え、必要なサポートをすることも整体の大切な役割ですので、そこは施術者の実力の見せ所でしょう。

どちらか一方ではなく、それぞれの役割を理解して取り組むことが、改善を目指すためには必要です。


整体にできること・できないこと

整体院サンテ院長折居俊樹

これまでお伝えしたように、整体にはできることと、できないことがあります。

自律神経そのものを直接整えることはできませんが、心身がリラックスしやすい状態をつくることはできます。

ご本人に代わって生活を変えることはできませんが、日常生活を見直すきっかけや、その後の行動をサポートすることはできます。

整体は、自律神経の不調に効果がある・ないといった話ではなく、治療とは違った役割があるということです。

利用目的を間違えて、時間と労力とお金を無駄にすることは避けたいところです。

「改善を目指すための一つのサポート」

それが、自律神経の不調に対する整体の現実的な位置づけだと考えています。