自律神経失調症は、特定の病名というよりも、検査で明らかな異常が見つからないのに現れる「不定愁訴」をまとめた診断名として使われることが一般的です。
人によって症状の出方や感じ方が異なり、はっきりとした原因が特定しにくいのが特徴です。
本来、自律神経は呼吸・心拍・体温・消化などを無意識にコントロールしており、多少のストレスや環境の変化があっても、バランスを取りながら回復する働きを持っています。
しかし、疲れが取れない状態や、緊張が続く状態が長く続くと、回復が追いつかなくなり、神経の働き方そのものが変化していきます。
その結果、身体のバランスが崩れやすくなり、さまざまな不調として現れる状態を「自律神経失調症」と呼びます。
一般的な検査は「臓器の形」を見るため、自律神経のような「働きの乱れ」は写りません。
これは部品(臓器)が壊れたわけではなく、それらをコントロールするシステム(神経)がバグを起こしている状態だからです。
病院で「異常なし」を確認することを除外診断と呼びます。これは、「どこも悪くない」という意味ではなく、命に関わる大きな病気がないことを確かめるための重要なステップです。
決して気のせいではなく、体が発している「これ以上ストレスをかけずに休んでください」というサインとして捉えられます。
自律神経失調症は、本人の意思とは関係なく、神経の調整機能が乱れることで起こっています。
検査で異常が見つからないからといって、症状が存在しないわけではありません。
「気のせい」や「考えすぎ」と言われることがありますが、実際に身体に不調が起きている状態です。
頑張ればどうにかなるものではなく、むしろ、無理に頑張るほど症状が悪化することもあります。
自律神経は意識的にコントロールできるものではないため、休める状態や環境を整えていくことが大切です。