自律神経のお悩みなら福岡市東区の整体院
整体院サンテ
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レクサスガーデン香椎駅前4F-1403
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最近、原因不明の症状の原因は「自律神経」にあるという認識が高まっています。
そのため「自律神経を整える」「自律神経の乱れが原因」といった言葉を、どこでも耳にするようになりました。
本来、原因不明の症状を説明する言葉は沢山あります。
慢性疼痛、心身症、精神疾患、機能性身体症状(症候群)、などがそれにあたります。
これらは定義に違いはあっても、重複する箇所が多々ありますし、その違いを患者さんに誤解されず正しく伝わるよう説明する事は非常に困難です。
かく言う当院も患者さんにわかりやすく説明するために「自律神経」というワードを使わせてもらっています。
ここでは、自律神経についてより詳しく理解していただくために、簡略化を少なくまとめています。
少々難しい内容となっていますが、ご一読ください。
そもそも、自律神経というのは神経系を構成する一部にすぎません。
その働きは、他の神経(運動神経や感覚神経)と同じように、脳の機能を身体に伝えるというシンプルなもの。
違うのは、その働きが「自律している(=意識でコントロールできない)」という点です。
自律神経とは“特別な存在”ではなく、あくまで神経ネットワークの中で、脳の指令を末梢へ伝えるための経路のひとつです。
自律神経は、脳から出る信号を体の各臓器へ伝える“連絡線”のようなものです。
呼吸、血流、消化、体温など
私たちが意識しなくても働いてくれている機能をコントロールしています。
自律神経というと「交感神経と副交感神経」と言われがちですが、実は3つあります。
・交感神経 ・・・ 活動・緊張・興奮の神経
・副交感神経・・・休息・回復・リラックスの神経
・内臓求心性神経・・・内臓の状態を脳に伝える神経
内臓求心性神経はよく忘れられていますが、脳に“体の状態を報告する”重要な役割を持っています。
つまり、自律神経は「脳→体」だけでなく「体→脳」へも信号を送る、双方向の連絡線です。
遠心性(脳→体)だけでは、ありません。
一部の整体や整骨院では、まるで自律神経そのものが乱れて壊れ、身体に異変を起こしているかのように説明していることがあります。
ハッキリ言って誤りです。
もちろん患者さんに分かりやすく説明する上での比喩や簡略化は必要です。
けれど、「語弊を超えた誤解」がそのまま宣伝文句や施術理論になってしまっているケースが多すぎます。
自律神経そのものは「乱れる」のではなく、自律神経を制御している中枢(脳・視床下部・情動系)や環境(ストレス、生活リズム、思考のクセ)によって、その働きが「乱れている」のです。
自律神経の本質は、そこにあります。
最も恐ろしい勘違いは「自律神経の乱れを触って整える」といった考え方。
これは、構造的にも生理学的にも成立しません。
脳が指令を出さない限り、自律神経が勝手に働くことはありません。
本来、自律神経が悪くなるのではなく、脳の信号そのものが乱れているだけ。
神経が詰まったり壊れたりしているわけではありません。
加えて、自律神経は神経線維(軸索)として体内の深部、すなわち血管・内臓・腺などに分布しており、手技で触知できる構造ではありません。
触れられるのは筋膜・皮下組織・骨格筋といった体表の構造物に留まります。
もし施術を受けた人が「自律神経が整った」と感じる変化があるとすれば
それは身体感覚(体性感覚)や呼吸、筋緊張の変化を通じて、脳が“安心・安全”を再評価した結果であり
「自律神経そのものを直接いじった」からではない。という点は非常に重要です。
多くの整体やリラクゼーションの世界では、
「身体の歪みを整えて自律神経を整える」
「神経の出口を広げて通りを良くする」
といった表現が使われますが、これはもはやファンタジーの領域です。
神経の通りを手で整えることはできません。
出来る範囲は、神経が正しく働ける環境を整えることです。
例えば
•脳が安心を感じている状態
•筋肉が過度に緊張していない状態
•呼吸が深く穏やかにできている状態
つまり、“神経を直接どうこうする”のではなく、神経が働きやすい「土台」を整えることです。
この理解を持つだけで、「自律神経を整える」という言葉の使い方がまったく変わります。
手で整えるのではなく、脳が安心できる状態をつくること。
それが、「自律神経を整える」ということです。
自律神経は、脳と体をつなぐ大切な“通信回線”です。
だからこそ、どちらか一方だけを整えても根本的な改善にはなりません。
海外のレポート原文を見る限り、海外では「自律神経の乱れ」という言葉は使われず、一般的には
MUS(Medically Unexplained Symptoms:医学的に説明のつかない症状)やFSS(Functional Somatic Syndrome:機能性身体症候群)として説明されているようです。
MUSやFSSの症状は「ストレスや不安による神経系・脳の過剰反応」として扱われており、自律神経症状は脳ストレスによる症状として認識されています。
「自律神経」という言葉自体は autonomic nervous system として存在しますが、“Your autonomic nervous system is out of balance.”と言うことは恐らくないでしょう。
「自律神経が乱れる/整う」という日常語的な使い方は、海外ではまずない。という認識で良さそうです。
理由は大きく3つあると推測されます。
① “自律神経”が「原因」として扱われない
「自律神経が乱れている」ではなく、
「ストレスや不安で交感神経優位な状態が続いている」
「心理的ストレスが身体機能に影響している」
みたいに、あくまでプロセスとして説明されています。
② 「症候群」や「機能性障害」でまとめる文化
日本では“何となく体調が悪い=自律神経失調症”と呼ばれていますが、海外では「原因が明確でない身体症状」は先に言ったように
MUS(Medically Unexplained Symptoms)やFunctional Somatic Syndrome(機能性身体症候群)というカテゴリでまとめられています。
つまり、「自律神経」という“器官名”ではなく、「症状の性質」や「機能の変化」にフォーカスされていると言っていいでしょう。
③ 「未病」的なグレーゾーンの文化が薄い
一番の違いは東洋医学の浸透にあると思います。
日本や東洋医学には「未病」という概念があって、「病気ではないが調子が悪い」という言い回しで通じます。
一方、欧米では“病気じゃなければ健康”という二分法が強く、「その間」に名前をつける文化が弱い。というのが理由です。
だから“自律神経の乱れ”みたいな言葉が生まれにくいのではないか?
と推測されます。
日本の「自律神経失調症」は、心理生理学・東洋医学・文化的価値観が混ざった、日本独自のハイブリッド概念というわけです。
同じ現象を海外で説明しようとすると、
•psycho physiologic disorder(心理生理的障害)
•stress related disorder(ストレス関連障害)
•functional disorder(機能性障害)
•somatic symptom disorder(身体症状症)
あたりに分散するでしょう。
最近、痛みの分野では国際疼痛学会(IASP)が提唱する
Nociplastic Pain(ノシプラスティックペイン) という概念があります。
「組織損傷も神経障害もないのに、痛みの処理システムの異常で痛みが起こる」という概念で、これはまさに、自律神経症状と同じく脳の働きと身体反応のズレから起こる状態です。
海外ではこうした「見えない不調」も神経科学的に理解されているのですね。
投稿日:2025年10月13日
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