患者さんの誤解が多い症状の代表が、ヘルニアと狭窄症です。
ヘルニアとは、臓器や組織の一部が、本来あるべき場所ではない部分に、はみ出している状態です。
狭窄症とは、関節の間隔が、本来の間隔よりも狭くなっている状態です。
ヘルニアや狭窄症になると、神経を圧迫して痛みが出ている。と思われている方が多くいらっしゃいます。
このような説明は非常に多いので、患者さんは鵜呑みにしていますが、全然違います。
実は『腰痛がない人』でも、年齢を重ねるとヘルニアや狭窄症は確認できます。
70代以降では、ヘルニアは7割、狭窄症はほぼ10割の確率です。
では、ヘルニアや狭窄症が確認された状態で、痛むのは何故でしょう?
急性(痛みが発症してすぐ)の場合、その原因の多くは『炎症』にあります。
神経の根元付近に炎症を起こしたから痛む状態になっているからです。
ところが、慢性(痛みが発症して3か月以上)の場合、炎症が確認できないにも関わらず痛みを訴えます。
その直下の原因の多くは『筋・筋膜性疼痛』といって、いわゆる筋肉痛です。
慢性症状の多くは炎症ではないので、痛み止め(抗炎症薬)は効果がありません。
発表会など緊張する場面で、お腹や頭が痛くなった経験はありますか?
別に炎症が起こる様なケガをしたわけではありませんので、緊張による心身の反応としか説明はできません。
慢性的な筋・筋膜性疼痛が起こる要因には、必ず心理社会的要因が含まれます。
これを無視、あるいは軽視しているために「ヘルニアや狭窄症が無くならない限り、痛みは治らない」と錯覚や誤解をしてしまっているのです。
急性疼痛と慢性疼痛は、根本的に要因も治療法も違います。
「急性」が単に長引いているのが「慢性」
そう誤解されている患者さんが、非常に多いです。
投稿日:2023年4月6日
院長の折居です。
あなたのお悩みを解決します!
整体院サンテ院長
整体師
カイロプラクター
スポーツトレーナー
自律神経調整師
剣道4段
福岡市東区志賀島生まれ。海と山、両方の自然を駆け回り育った野生児。整体への追及や意欲は、患者や同業者から『異常』や『変人』と畏れられる。
カイロプラクティック(ディバーシファイド・ガンステッド)・オステオパシー(内臓マニピュレーション・頭蓋マニピュレーション)の技術を中心に取得。
慢性疼痛治療の中心となる心理療法・運動療法を心療内科医・理学療法士に師事し習得。
その他、メンタルヘルスマネジメント・栄養学・薬学・漢方薬学・認知行動療法・睡眠法・呼吸法など各専門科に師事し習得。
ブログ「『自律神経を整える』とは?基本的な考え方を徹底解説①」公開しました。
ブログ「梅雨時期に多い体調不良『気象病』の原因と対策」公開しました。
ブログ「「自律神経の乱れ」に本当に必要なアプローチとは?」公開しました。
ブログ「いつ治るのか?不調に見られる“回復の兆し”」公開しました。
ブログ「新学期に増える子供の自律神経症状と起立性調節障害(OD)」公開しました。
ブログ「『心のエンジン』のかけ方 後編(抑うつ状態向け)」公開しました。
ブログ「『心のエンジン』のかけかた 前編(日常の不調向け)」公開しました。