『自律神経を整える』とは?基本的な考え方を徹底解説③

自律神経のイメージ画像

「整える」目的は、QOLの向上

「症状がなくなること」=ゴールではない

不調が続くと「この症状を無くすこと」をゴールと思いがちです。

しかし、実際には症状が軽くなっても「心がしんどい」「前の生活に戻れない」と感じる事がよくあります。

 

逆に、症状が残っていても「愉しい」や「幸せ」と感じるようになると、次第に症状が気にならなくなり、ついには全く気にならなくなる事があります。

 

自律神経が乱れている、症状が慢性化している人が目指すのは、単なる“回復”ではなく、「その人らしく、日常を取り戻せる状態」=QOL(生活の質)の向上にこそゴールであると思う方が良いでしょう。

 

QOLの向上とは、単に不調がないというだけでなく

  • よく眠れる
  • 食事をおいしいと感じる
  • 気持ちに余裕がある
  • 他人と過ごす時間が心地よい
  • 自分を責めずに過ごせる
  • 今日を「まあ悪くなかった」と思える
  •  

そんな日常の中の“自分らしさ”や“安心”が感じられる状態のことを指します。

そのQOLを下げてしまう大きな要因が、「自律神経」と「脳の緊張」です。

緊張の要因「心理社会的要因」

身体を整えても、生活習慣を見直しても、うまく整わない時。

よく見落とされやすいのが、心理社会的要因です。

 

【心理社会的要因とは?】

心理社会的要因とは、脳や自律神経の働きに影響を与える“心・人間関係・環境・過去の経験”などの背景ストレスなどを指します。

 

幼少期の家庭環境や親との関係、学校や職場での人間関係・孤立、トラウマ・喪失体験、自分への過度な期待や完璧主義、家族の介護や育児による慢性的負担など、様々です。

 

こういった「過去」や「今ある環境」が、脳の“安全判断”に影響し、脳の緊張状態を招き、幸せを感じられない生活=QOL低下につながっていきます。

 

QOLを向上させるには、心理社会的要因をしっかりと理解し、心理的介入を視野に入れたアプローチが必須になるでしょう。

QOLを回復するための3つのアプローチ

「その人らしく、日常を取り戻せる状態」=QOL(生活の質)を向上を達成するためには整体・心理支援・セルフケア

 

3つの方向から働きかける必要があります。(当院は整体院なので)

それぞれの役割を見ていきましょう。

 

① 整体の役割:身体から「安心できる状態」を取り戻す

 

心理的な緊張は、必ず身体に現れます。

胃腸のこわばり、呼吸の浅さ、首や頭の重さなど、これらをゆるめることで、脳が「休んでいい」と判断しやすくなる状態を作ります。

 

  • 横隔膜・腹部の調整(呼吸と腸の回復)
  • 頭蓋・後頭部へのアプローチ(脳幹と自律神経中枢のゆるみ)
  • 緊張から弛緩への“切り替え体験”を身体に覚えさせる

 

身体の緊張が緩むことで、心も緩み自然な神経の流れになります。

 

② 心理支援の役割:脳に「もう危険じゃない」と伝える

 

どんなに身体が整っても、脳が「また同じことが起こるかもしれない」と思っていれば、副交感神経はうまく働きません。

 そのため、“脳の誤作動”に気づき、ほどいていくことが重要です。

 

  • カウンセリングによる感情整理
  • 認知行動療法による自動思考・思考のクセの修正
  • 心理教育を通じて、自分の状態を理解できるようにする
  • 「安心できた経験」を少しずつ積み重ねるサポート

 

これにより、“緊張がデフォルト”になっている脳を、再び「安全」に調律し直せるようにします。

 

③ セルフケアの役割:「整う状態」を自分で育てていく

 

整体と心理支援は、“きっかけ”や“サポート”です。

それでも、最終的に整うためには、「整った状態を日常で維持する力」

セルフケアが必要です。

 

  • 呼吸法(腹式呼吸、ゆっくり吐く)
  • 入浴・睡眠・食事などの生活リズムの再構築
  • 思考を見つめ直す日記や記録法
  • 自分の“好き”や“無駄に見えるけど楽しいこと”を取り戻す

 (例:花を育てる、散歩する、音楽を聴く、料理をする)

 

QOL向上に必要なのは、「成果」より“心が動いた実感”です。

セルフケアは、治療というより“生き直す練習”とも言えるでしょう。

 

【まとめ】

QOLは「症状がない」ではなく、「自分らしく生きられる」ことです。

 

整体で「安心できる身体」を取り戻し、心理支援で「安心していい」と脳に伝え、セルフケアで「安心を自分のものにしていく」

 

これが、当院のQOL=“日常を生きる力”を整えていくプロセスです。

 

自律神経を整える力は、必ず生活の中にあります。

そしてそれは、症状が軽くなるだけでは終わりません。

 

自分らしく、穏やかに幸せに暮らせること。

 

QOLの向上が目標でありゴールと言えるでしょう。

 

投稿日:2025年7月2日

監修 折居 俊樹

‣整体院サンテ院長

‣整体師・カイロプラクター

‣福岡市東区志賀島出身

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