笑顔を大袈裟に出した方が良い時もある

「感情をコントロールする。」と言いますが、コントロール＝制御する＝我慢しないといけない。と思っている方が意外と多く見受けられます。

いわゆる冷静な状態を目指しているわけです。

怒りや悲しみや不安に陥ってしまった時、それ以上ネガティブな気分にならないよう冷静さを保つことは確かに大切です。

しかし、常に冷静で居ようとすると、コントロールの度を越してしまい感情が平板化（浮きも沈みもしない）し、日々の生活が楽しくなくなってしまいます。

そうならないためにも、嬉しい・楽しい等のポジティブな気分の時には、なるべく興奮したその感情を表に出すようにすると良いでしょう。

・・・とは言え、気分が上手く上がらない時があります。

長らく不調に見舞われている方は、セロトニンやドーパミンの分泌が上手く行かず幸せを感じにくくなる傾向にあるからです。

そんな時、感情を上手くコントロールしてくれるのが「顔の表情」です。

アメリカの心理学者ポール・エクマンは、感情と顔の表情を研究し、人には「6つの基本感情」があることを明らかにしました。

顔に出る感情表現の特徴は万国共通で「怒り・喜び・恐れ・悲しみ・驚き・嫌悪」の6つに分けられるそうです。

そして、感情と表情には「情動の末梢起源説」という理論があります。

簡単に言えば“表情によって感情は生まれる”という考えで「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる」という心理学理論です。

ポール・エクマン博士によると、笑顔を意識的に作ることで、ポジティブな情動が脳の中で生まれるそうです。

ただし、この笑顔には条件があり、単なる作り笑いでは中々上手く行かないそうです。

効果が発揮される笑顔は、口角と頬骨を挙げて、目尻にシワが寄るほどの笑顔「デュシェンヌ・スマイル」です。

「デュシェンヌ・スマイル」は、本物の笑顔とも呼ばれ、本当に笑っている時の表情ですが、楽しくなくとも心配には及びません。

ここで大切なのは、感情よりも表情だと思いましょう。

感情のコントロールは、マイナスを冷静さで0に持っていく事と、0を大袈裟な笑顔でプラスに持っていく２つをセットで覚えましょう！