万病の「原因」と「治療」は生活習慣

まず1番先に頭に入れておいていただきたいのは、原則原理として生きている人間には「自然治癒力」が備わっているという事です。免疫・浄化・解毒・代謝・排便・神経伝達・ホルモン分泌など、人間の構造上であげられる、あらゆる身体機能が働き「自然治癒力」となります。

「自然治癒力」は身体を元に戻す力のことです。寿命と先天性の場合を除き、どのような軽度の症状でも「自然治癒力」が働かなければ治ることはありません。身体的な面のみならず、心理的・精神的な面でも同じです。

現代では健康保険制度の充実により、誰でも手軽に医者にかかれます。ですが、医者にかからずとも重病ではない限り、放っておいても大抵の症状はいつの間にか良くなることが案外多いです。それは「自然治癒力」のおかげに他なりません。

「勝手に治っている」のではないのです。身体の中の「自然治癒力」が働くから治っているのです。生命力や活力といってもいいでしょう。

レントゲンやCT、MRI。血液検査や尿検査。脳波や心電図など、理学的な検査法の発展により、あらゆる症状の原因がより精密に解明されてきました。それら「目に見える原因」は○○病や○○症など診断をしてくれます。そして、それに応じた「お薬」や「手術」で治療をしていくわけですが、さて、思ったように治癒していくでしょうか？

答えは「ＮＯ」です。

原因がいくら解明されようと、〝治る〟のは患者さんの身体の「自然治癒力」の賜物であって、医者や施術者が 〝治す〟のではありません。

いくら検査が精密になろうが、あらゆる新薬が開発されようが、患者さんの「自然治癒力」がなければ治療する意味がないのです。死人にどんな処置を施そうと生き返らないのと同じです。

「自然治癒力」を活かすも殺すも患者さん次第なのは、現代も昔も変わりません。

見出しにも書いた「万病の原因と治療」ですが、実はこれは同じ事です。

健康であることも不健康であることも本人の生活習慣次第で、どちらにも自由にできています。「自然治癒力」の基礎となるものが生活習慣です。

当然、自分から不健康になったつもりは皆さんないでしょうが、それは知らずにやっているだけです。自分の毎日の生活でわざわざ不健康になるようなことをしていながら、知らない、もしくは、気づかない為に平気でその生活を続けているのです。

健康的な生活習慣の啓蒙には「痛み」も重要ですが、それよりも「容姿」が心に刺さると思います。

例えば「薄毛」を気にしている方は男女問わず多いでしょう。遺伝や年齢は大変重要ですが、それだけが左右するものではありません。

「睡眠」でいえば、睡眠時間が6時間や5時間の場合、脳は十分な休息が取れず「睡眠負債」を抱えます。毛髪の成長にはホルモンの分泌が欠かせませんが、肝心のホルモン分泌には22時から深夜2時の間の睡眠がとても大事なのです。

「栄養」でいえば、毛髪の成分は「ケラチン」という蛋白質です。いくら頭皮マッサージやヘッドスパをやっても、原材料となる栄養が不足していては髪の毛は生えません。またビタミンやミネラルは髪の毛の張り艶には欠かせませんし、水分不足で粘度が高いドロドロの血液は循環が悪く栄養を十分に運べません。

「薄毛」1つとっても、ここに書ききれないほど多くの生活習慣が要因となっています。

それを育毛剤や発毛剤だけで対処しようと思うのは、少し短絡的な考えです。

薄毛に限らず肥満や肌の老化も、昨日今日に始まって、すぐにそれと分かるものではありません。ある意味で日々の生活習慣の「賜物」なのです。

痛みや不調も、本人に自覚がないだけで生活習慣の中に、症状の「原因」と症状の解決となる「治療」が潜んでいます。

もちろん全ての症状の「初めの原因」が生活習慣とは言いませんが、「長引く原因」や「解決方法」は生活習慣に十分含まれるでしょう。