『原因の原因』どこから治す？

例えば、口が開かない顎関節症があったとします。

開かない原因は？と聞かれたら

『顎関節の関節円板がズレて炎症を起こして腫れたから』が原因になります。

『関節円盤のズレ』を原因その①としましょう。

関節円盤がズレてしまった原因その②は『咬筋が固くなった状態で無理に開口したから』です。

原因②の結果、原因①の状態になって、その結果が顎関節症。

ここまでは、大概の人が思いつく原因で、咬筋を緩めるマッサージやマウスピースなんかを治療で用いたりします。

では原因その②の先です。ここからは施術者の考え方と、患者さんの状況によって原因は多岐にわたりますので、1つ私の施術例を話します。

②の原因その③『咬筋に影響する首の状態が悪くなっているから』

③の原因その④『首に影響する胸や肩の状態が悪くなっているから』

④の原因その⑤『胸や肩に影響する肋骨や横隔膜の状態が悪くなっているから』

⑤の原因その⑥『肋骨や横隔膜に影響する内臓や脳の状態が悪くなっているから』

⑥の原因その⑦『内臓や脳の状態を悪くする生活習慣やストレスがあるから』

ここまでが施術でできる最終地点です。胃や肝臓、次の段階の横隔膜の施術。脳の緊張を解いて睡眠の質をあげる施術。食事のアドバイスなんかも必要でしょう。腸脳相関は施術の基本です。

ですが、その先。

暴飲暴食や睡眠不足、呼吸の乱れなど、内臓や脳を悪くする始めの原因は何でしょう？

そこには、仕事や育児、人間関係などあらゆる心理社会的要因が個人差によって想定されます。

痛みや不調は仕事や育児の質を下げますし、質が下がるとミスが多くなり、それ自体がストレスにもなります。

ストレスは内臓の不調や、睡眠の不調を招き、また、翌日の効率を悪くします。

お薬は何の解決にもなりません。その場しのぎにすらなりません。

原因は結果に繋がり、結果は次の原因に繋がる。まさに負の因果関係です。

慢性症状の原因を軽く考えてはいけません。

どこから治すのか？は施術者の知識と腕の見せ所でしょうね。

ウチは長い説明とお腹と頭の施術からです。

投稿日：2022年8月30日