不安コントロールには３つの項目【肉体と精神と社会】

WHO憲章で健康は以下の様に定義されています。

《健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。》

これは健康の一面である「不安」においても同じで、不安をコントロールするには【肉体と精神と社会】３つの項目を整えなければなりません。

個人的に言い換えるならば『身体』『思考』『環境』です。

これら３つは互いに影響しあっているので、どれか1つでも欠けると残り2つも上手くいきませんが、逆を言えば、上手くいった1つが残り2つを助けてくれる可能性も十分にあります。

3つ全てをいっぺんに解決しようとするのではなく、自分が取り組みやすい項目から始め、徐々に残りの項目に着手していくと良いでしょう。

《身体を整える》

解決したい問題は「不安（思考）」なのに、環境はあるにしても、どうして身体？と思うかもしれませんが、先に書いたように3つは影響しあっています。

心身相関と言って、身体（肉体）と脳（精神）はコンマ数秒の速さで、神経を通じて互いに情報を行き来させており、どちらが先かは大した問題ではないのです。

身体を整える上で大切なのは、間違いなく『生活習慣』です。

具体的には【睡眠・運動・食事・水分・入浴】を私は勧めています。

年齢や状態による差はありますが、ここでは平均した数字を書き出しています。

① 睡眠：睡眠は「脳の健康」を正常に保つ上で欠かせません。

思考が破局化してしまう最大の要因は、睡眠不足にあります。

睡眠に関する研究機関では大人でも7～8時間の睡眠が推奨されていて、それ以下でも以上でも、何かしらの健康被害が出やすい事がわかっています。

② 運動：適度な運動は睡眠の質を向上させ、ストレスを発散させます。

「運動療法」には有酸素運動とレジスタンス運動（筋トレなど）があり、どちらも健康には欠かせません。

運動が苦手な人は、まずウォーキングなど簡易的な運動から始めてみると、次のステップに進みやすいでしょう。

③食事：体のすべては食事で作られます。

　筋肉などの運動器官だけでなく、ホルモンや消化液、血液などに至るまで、全ては食事からしか作られません。

　数ある栄養素の中でもタンパク質は、一日で体重1キロあたり1グラム（60キロなら60グラム）以上が必要となりますので、積極的に摂取していきたい食事の一つです。

④水分：全ての栄養は血液・リンパ液・脳脊髄液によって運ばれます。

　血液には粘度というものがあり、いわゆるサラサラしているかベトベトしているかによって、流れ方が異なってきます。

　体の6割は水分で構成されており、一日1.5～1.8リットルの水分摂取が理想です。アルコール、カフェイン、カリウムの利尿作用があるものをメインに飲むことは避けましょう。

⑤入浴：毎日の入浴はどんな治療よりも効果的です。

　入浴（浴槽）の効果は古くから認められています。湯治という言葉があるように、万病に効果があると言っても大げさではありません。

　38℃～41℃あたりの温度が最も効果的とされています。

⑥他にも

　生活習慣になり得るものは、他にも清掃や着脱、整容や歯磨きなど、数多く存在します。

　それら基本があって初めて私たちの体が作られていますので、基本をおろそかにしてはいけないのです。

脳は身体の一部である以上、心身の健康は身体（肉体）あってのものです。

不安を解消するには肉体的な健康が必須と言えるでしょう。