テーピング剥がさずにピーナッツを食べず

「瓜田不納履、李下不正冠」

「瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず、李下(りか)に冠を正さず」と読みます。

中国の南北朝時代の文選（もんぜん）という詩集文にある言葉で、他人に疑いをかけられるような言動はしてはいけない。という内容です。

《瓜田に履を納れず》

意味：瓜の畑の中で靴を履き直すと、瓜を盗んでいる様に疑われるから止めとけ。

《李下に冠を正さず》

意味：李（スモモ）の木の下で手を挙げて冠を被り直せば、李を盗んでいる様に疑われるから止めとけ。

補足になりますが、これは中国の「お役人」の教訓みたいなもので、人から信用されてなんぼの役人が、民間に疑われてはいけないよ。みたいな感じです。

人はほんの些細な事から他人を疑ってしまいます。

日本でも、政治家がちょっとした失言をすると、下手をしたら辞任させられます。

本人が『そんなつもりで言ってない』と釈明しても、一度騒がれると消えないのが『疑いの目』というもの。

冤罪を免れるには、まずは怪しまれるような行動を避ける事が大切です。

信頼は長い時間をかけてコツコツ積み重ねるのに、失う時はアッという間ですからね。

しかし、昔の中国の人はよくこんな故事成語を沢山作れますね。

『怪しまれることはするなよ？』より『李下に冠を正さず。だぞ？』の方がなんだかオシャレに聞こえます。

そう言えば、学生時代にこんな事がありました・・・。

それは、ある寒い冬の夜、部活帰りのことじゃった（始まってます。）

警察から「君、今タバコ吸っていたよね？」と呼び止められ

『え？吸ってないですよ？』と言ったが

「イヤ、タバコ吸ってるの見えたよ？」と疑ってやまず

『持ってないですし、吸ってないですよ』と否定したが

「はいはい。いいから出しなさい」と膨らんだポッケを指さされ

『…これ？』と出したら

「あ…タバコじゃなかったね。ホントごめんね。」と言われる

《テーピング剥がさずにピーナッツを食べず》

意味：吐く息がタバコの煙のように白くなる寒い夜に、部活でテーピングを巻いた指でピーナッツを口に運んでいたら、まるでタバコを吸っている様に見えて警察に疑われるから止めとけ。

奇跡の勘違い！！