急性と慢性の違い

期間の違い

『痛み』というのは急性と慢性の２種類に分けることができます。

『急性』は短い期間で治る痛み。『慢性』は、長い期間で治る。もしくは長い期間をかけても治り難い痛みです。具体的には３か月以内が急性。それ以上が慢性に分類することができます。

※『３か月以上持続する、または通常の治療期間を超えて持続する痛み』というのは痛みの専門研究機関である国際疼痛学会の定義です。

この辺は期間に差はあっても、何となくご存じだと思います。

原因の違い

『急性症状』の原因は様々ですが、要約すると「怪我や病気」です。交通事故や転倒などでの外傷。サルモネラ菌や大腸菌による食中毒や下痢の症状なんかも、全て急性症状です。急性の原因はハッキリしている事が特徴です。

※ウィルスと細菌は違います。風邪やインフルエンザはウィルスです。

対して「慢性症状」の原因はというと、実は「よくわからない」が正解です。ですが、これは原因と呼べませんよね？

なので、別の言い方をしましょう。慢性の原因は「心身が疲れてしまったから」「心身が弱ってしまったから」など、要するに「元気がないから」です。

その原因は？と聞かれたら、職場や家庭などの環境ストレスなのか・コロナや不景気などの社会ストレスなのか・睡眠不足や運動不足などの生活習慣なのか・他にも無数に選択肢が在り過ぎて、本人含め誰にもハッキリと答えられません。

なので、慢性症状の原因は「よくわからない」で正解なんです。

治療の違い

原因がハッキリしている『急性症状』は治療方法もハッキリしています。

ケガなど急性痛の場合は安静にすることが非常に有効ですし、手術や投薬も有効です。

原因菌が分かれば抗菌薬でやっつける事も可能です。

対して原因がよくわからない「慢性症状」は治療方法が全く異なります。

先ほど、慢性症状の原因は「元気がないから」と言いましたが、そんな状態で安静にする事は逆効果になります。当然、元気の出る手術や元気の出るお薬というのはありません。エナジードリンクとかはただの栄養です。ストレスには無関係です。

もちろん、元気がなくなる細菌なんかは存在しません。

ちなみにここで言っている「元気」と言うのは「体力と気力」を指すんですが、主に気力が対処困難です。

まとめ

慢性症状は患者さんが思っている症状と違うというのはわかりましたでしょうか？

慢性症状の治し方は別のところで色々書いていきますので、詳しくはそちらを参考にされてください。とりあえず今回知っていてほしいのは。

① 慢性症状の期間は、３か月以上続く（継続・断続の両方）症状のこと。

② 慢性症状の原因は、個人差が多すぎて「よくわからない」こと。

③ 慢性症状の治療は、手術や薬では改善ができないと言う事。

以上の3つですね。難しく考えないで大丈夫です。