『できるようになったら』はいつまで待っても来ない。

患者さんに生活指導をしていると、よく『それができないんです』と言われます。

睡眠障害や摂食障害、不安障害などの症状については『それができない』から困っているので、それをやってください。などと無茶は言いません。

ここで言っている『それ』はそういったものとは違います。

例えば『シャワーではなく、浴槽にちゃんと入ってください』『炭水化物のみで済まさずにタンパク質を摂ってください』『寝る時は真っ暗にしてください。そしてベッドでスマホやテレビは見ないで下さい』

これには、それぞれちゃんと理由があります。

眠れない・食べられない・不安になる・・・等は睡眠中にしっかりとしたリラックスができていないのがそもそもの始まりです。

それを整えるには、小さな努力をコツコツと積み重ねる必要があります。整体に限らず、医療というのはマジックや奇跡の類ではありません。具体的な行動をしなければ具体的な結果（改善）はあり得ないのです。ましてや、慢性的な症状は間違った『生活習慣』を積み重ねた結果です。現在進行形で悪化しているのを施術やお薬だけで改善しようなんて無茶な注文です。仮に施術やお薬で一時的に寛解したところで元の木阿弥でしょう。

『お風呂掃除がどうしても面倒なんです・・・』

『時間がないから簡単な食事で済ましてしまうんです・・・』

『ついつい寝る前に癖でみてしまうんです・・・』

そんな事を言っているうちは、改善なんて夢のまた夢です。

上記の『それ』を改善すること治療の第一歩なのに、そこに言い訳してその先にどうして進めましょうか。

山登りをしたことがない人は想像だけで『きつそう』といいます。マラソンをしたことがない人は想像だけで『絶対無理』と言います。

想像は想像です。実際の感想ではありません。想像だけで疲れてしまい、行動した気になっていると、どんどん色々な事が億劫になり始めます。そしていつか、身体機能的（筋力の低下やドーパミンの不足）に本当にできなくなります。

『できるようになったら』のできる時は、何かを始めないと一生訪れません。だから今の『できない状態』になったのですから。待っているだけでは、いつまでもそのままか更に悪化するだけです。

いつやるの？今でしょ！・・・ってやつです。