眠れない時の対処

慢性症状の改善において、最も重要な生活習慣の一つが『睡眠』です。

まず知っていてほしい事は、人間は寝る事によって心身が整います。

栄養は、多少食べられなくても『点滴』や『胃ろう』でどうにか代用できますが、睡眠効果ばかりは他で代用する事ができないのです。

夜眠れない不眠症の患者さんは、日中の行動に支障をきたしてQOLが低下してしまうので、何としても解決しないといけない最優先項目です。

眠れない時、特に問題なのが『思考』です。

本人の意図しない不安感や焦燥感が、脳を興奮状態にしてしまい、睡眠状態に導いてくれません。

思考問題の解決のために、デパスやエチゾラムといったBDZ系の薬剤がありますが、どちらかと言えば、それは睡眠というより『気絶』に近いです。

同じ睡眠状態でも、質や効果には雲泥の差があると言って良いでしょう。

他にもサプリメントや、ヒーリング音楽などがあります。それで眠れるなら良いですが、不眠症まで悪化した状態の方には難しいでしょう。

残念ながら、『寝よう』と思って床に入った後から『眠れない』と思ってアレコレ対策を講じても、ほとんどの場合は無意味です。

では、どうすれば良いのか？

絶対の保証はありませんが、一番確率が高いのは『日中に疲れてしまう事』です。

全ての生物は、生態反射には抗えない様にできています。

お腹が空けば嫌でも腹が鳴りますし、運動をすれば嫌でも汗が出ます。

それと同じです。

体力を使って疲れてしまえば、回復するため眠るよう身体はプログラムされています。

どれくらいの疲れが睡眠に必要かは、体力に個人差があるので、ご本人が試してみる他ないでしょう。

もし、疑われるなら時間がある時に、眠くなるまで徹夜してみてください。

どんな猛者でも３日と経たず眠るでしょう。

荒療治は普段お勧めしませんが、『寝たくても眠れない』と信じ込んでいる不眠症の方は、思考の改善が必要です。

徹夜でも良いので、一度自然な眠りを体験し、『眠れないわけではないのだ』と思う事が大切です。

デパスやエチゾラムは、私はお勧めしません。

投稿日：2022年9月14日