食べた物がうんこになるまで

小学生の患者さんに『食べた物ってどうやってうんこになるんですか？』と質問をいただきました。

今回は消化と吸収のメカニズムについて、簡単に説明します。

消化管

まず、消化は「消化管」という口から一本に繋がった長い管の中で行われます。

「消化管」は上から順に

① 口

② 食道

③ 胃

④ 十二指腸

⑤ 小腸（空腸→回腸）

⑥ 大腸（結腸【上行→横行→下行→S状】・直腸【上部→下部】）

⑦ 肛門

の順番に繋がっていて、食べた物を口から肛門までスムーズに運べるようになっています。

この時、逆流を防ぐ弁の役割をする個所があり、食べ物は本来一方向にだけ進むようになっています。

消化液

食べ物が消化管の中を通過する際「消化液」という液体によって、ドロドロに溶かされて吸収しやすい状態になります。

「消化液」は次の部位から生成・分泌されます。

① 唾液腺→唾液：炭水化物（デンプン）を分解する。

② 胃→胃液：タンパク質を分解する。

③ 肝臓→胆汁：脂肪の乳化（ドロドロ）とタンパク質を分解しやすくする。

④ 膵臓→膵液：炭水化物・タンパク質・脂質を分解する。

⑤ 小腸→腸液：炭水化物をブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する。

細かく言えば胆汁以外の消化液には「消化酵素」というものが含まれていて、各栄養素の分解は消化酵素の種類によって異なります。

例）唾液の消化酵素「アミラーゼ」→デンプンの分解。

各消化管を通る途中に様々な消化液が出てきて食べ物は吸収されやすい状態になります。

ここまでが『消化』のメカニズムです。

一方で『吸収』のメカニズムはほとんど小腸で行われます。

小腸には「柔毛」という栄養分と水分を吸収する部位があります。

柔毛は「毛細血管」と「リンパ管」にそれぞれ繋がっていて、ブドウ糖とアミノ酸、ミネラルなどは毛細血管に入って肝臓を通って全身に。

脂肪酸とモノグリセリドは、リンパ管に入って全身を巡り、左鎖骨下で血管と合流して血管を通りまた全身に送られます。

うんこ

食べ物の内、消化できずに吸収されなかった物がうんこになるわけですが、うんこは7～8割ほど水分でできていて、残りは腸内細菌と腸粘膜と食べカスで構成されています。

便秘だからと言って食物繊維ばかりとってもあまり意味がありませんので、水分と睡眠と運動を心掛けましょう。

まとめ

食べた物はお口からお尻に向かうまでにドロドロにとけて、身体に入って行って色々な材料になるんだよ。

残った要らない物がウンコとオシッコだから、いっぱい出した方が健康にも良いんだよ。

わかったかな？