夢に悩まされる時の対応

前回、夢とは『記憶の整理の断片』だとお話ししました。

夢の中でも、嫌な夢、いわゆる「悪夢」の対応策について今回はお話しします。

夢は、身体的・心理的・社会的な要因によって、何の記憶の断片が出てくるのかが左右される。と言われています。

「予知夢」の研究がロシアの消防署で行われたことがあります。

当直の消防官が『火災の夢を見ると、実際に火災が発生した。』というものです。

ですが、調べていくと興味深い結果になりました。

当直の消防官は「火災になった夢」を、かなりの頻度で見ていたのです。

それが、たまたま実際の火災とタイミングが重なった。というわけです。

「火災が起こったらどうしよう。緊張する。怖い。上手くやれるだろうか。」などのプレッシャーが、消防官に火災の夢を見せていたのではないか？という研究結果になったのです。

夢の中でも「コレは夢だ」と気づくことがあります。

『明晰夢（めいせきむ）』と呼ばれるもので、通常の夢よりも、自分の意志や感覚が妙にリアルに感じられます。

良い夢であれば、楽しく自由にコントロールできるメリットもありますが、夢の中でも現実でも似たような感覚なので、非常に疲れてしまうデメリットもあります。

明晰夢は、通常の夢よりも、より浅い眠りの状態で見ると言われています。記憶の整理が上手く処理できず、心身共に疲労しやすい夢なのです。

明晰夢や悪夢の対策は２つあります。

１つは、現在進行形でストレスになっている問題を解決する事。

寝る場所、温度や光、音など簡単に変えられる事から始めると良いでしょう。

日中に不安な考えでいっぱいな場合は、それを就寝時に持ち越さないために、楽しい話題や、明るい音楽を、夕方あたりから積極的に取り入れるのも効果的です。

ストレスになっている問題が解決困難な場合、例えば対人関係など簡単でなければ一旦横に置く方が良いでしょう。

問題に固執するあまり、選択肢が狭くなっている精神的状態では、かえって解決が遠回りになってしまいます。

もう１つは、日中に運動をして身体を疲れさせる事です。

運動は気晴らしの効果だけでなく、疲労回復のために脳が眠りの必要性を高め、睡眠が安定すると言われています。

大切なのは、睡眠・食事・運動などの生活習慣を、どんな心理社会的要因があろうと、乱さない事です。

今できることで構いません。

上手く眠れないのであれば、運動して、食べて、風呂に入る。

結局、この繰り返しが健康の屋台骨だと言う事を忘れないでください。