20年以上『筋肉痛』を『神経痛』と誤診されていた患者さん③

たかが筋肉痛と侮ってはいけません。

慢性疼痛の、ほとんどは「筋肉痛（筋・筋膜性疼痛）」による痛みです。

激痛で名高い『陣痛』も、子宮の「筋肉痛」です。

Aさんの場合、なんらかの「心理社会的要因」があって慢性化している腰の「筋肉痛」ですね。

筋肉痛といえばマッサージを思い浮かべるかもしれませんが、それは保存療法にしかなりません。

『整骨院や整体院で施術を受けると、１週間くらいは楽になる』

と言っていたのが、いい例です。

詳しくは書きませんが、仕事と人間関係で色々とあったそうです。

私の所で主にやったことは３つ。

1つ目は「お薬の整理」

エヌセイズ（消炎鎮痛剤）などの『痛み止め』は、慢性疼痛には効きません。

逆に、内臓に負担をかけて、それも痛みの原因になるので、不要なお薬を減らしていただきました。

２つ目は「生活習慣の改善」

当たり前ですが、慢性疼痛は生活習慣病です。

寝る・食べる・運動する、を個人に合わせてアドバイスして実践していただきました。

３つ目は「施術」

これに関して、Aさんの場合は「便秘」に対する施術を特に行いました。

基本的な施術は変わりませんが、生活習慣の改善だけでは、どうしても治しにくかったので手を加えました。

初診時から1か月後。

施術が４回目を迎えるころには、Aさんの「坐骨神経痛」もとい「腰部～下肢の筋肉痛」は消失していました。

現在は、月に１度の検査来院ですが、症状はずっと出ていません。

『神経痛』と聞くと、なんだかヤバい様に思えるかもしれませんが、それは本当に「神経痛」なのか？

神経所見が無いにも関わらず「神経痛」と言われていないか？

決して珍しくないお話です。