整体院と整骨院。整体師と柔整師の因縁（？）の対決

整体院と整骨院。名前は似ているけど何が違うの～？と患者さんからよく聞かれます。

ちなみにカイロプラクティックもリラクゼーションもエステさえも広義では『整体』です。『整骨院、接骨院、骨つぎ』は同じです。

私個人は『整骨院に所属する整体師』というこうもり野郎なので、あまり気にしてないんですが、あるところにはあります・・・犬猿の仲(笑)。

知識・技術・ニーズの面で勝手に比べてみました。

整体院の資格は『整体師・カイロプラクター』など様々ありますが民間資格ですね。専門学校のカリキュラムに基準はありませんし、国家試験もありません。最近は通信講座まであります。自転車の資格と思えばいいです。免許ではありません。

対して整骨院の資格は『柔道整復師』で国家資格です。略して柔整。国が定めた基準を専門学校で３年学んだ上で、国家試験に合格しなければ名乗れません。車と同じく歴とした免許です。

整体やカイロの学校がダメとは言いませんが、国家試験に合格するのは簡単ではありません。個人差はあれ、単に専門的な知識を比べれば『柔整』の方が優れているでしょう。

使える知識かどうかは別ですが、知らないよりも知っていた方が良いです。殺法と活法の違いとか地味に好きです。

始めに言っておきますが、技術自体に上も下もありません。どんな技術でも上達すれば患者さんを満足させるだけの価値があります。

そして技術の上手下手は『人による』です。

整骨院でよくある宣伝文句があります。

『国家資格の有資格者なので安心です』

全然安心じゃありません。知識があるのと技術があるのは別です。

確かに知識ありきの技術ですが、技術は経験でしか培えません。

現場にいれば患者さんに説明するための最低限の知識はスグに身に付きますが、技術はある程度の経験が必要不可欠です。

私の知る限り柔整では技術の練習をほぼしません。学生期間にアルバイトで現場に入ったりしている方もいますが、体重の上手な乗せ方がわからなくて、患者さんに軽いだの痛いだの散々言われたりします。

整体も場合によっては講習だけの所もありますが、どちらかといえば技術に比重をおいている傾向があります。勉強3の技術7といったところでしょか。私のいた学校では素人ながらに技術の研鑽を２年していました。

揉みほぐしやエステサロンでも上手な方は大勢いらっしゃいます。有資格者なら安全で、無資格者は危険という概念は何の判断基準にもなりません。

なので両者引き分け。

整体は高い、整骨院は保険が使えるから安い・・・安い方が良いに決まっている。と思うかもしれませんが、保険を使うには条件があります。

『負傷原因が急性または亜急性（急性に準ずる）の外傷性の負傷』だけとなっています。

簡単に言えばケガです。捻挫・打撲・挫傷（肉離れ）は整骨院で保険が使えます。他にも脱臼と骨折がありますが、整形外科でレントゲン等の検査が必要です。

交通事故でケガをした場合にも、整骨院で保険治療が受けられます。

問題はニーズのほとんどが《そうじゃない症状が多い》ところです。

日本で１番多い症状は腰痛と肩こり。次いで頭痛や関節痛などの症状なんですが、これらは慢性症状がほとんどです。整体や整骨院に来られる患者さんの９割は慢性症状と言えるでしょう。

慢性症状の専門は整体でしょうか？整骨院でしょうか？飛び込み参加で整形外科でしょうか？

実はどれも違います。

整骨院は先ほど言ったように『急性の外傷』が本来の専門です。個人で勉強しない限り慢性についてはド素人です。

整形外科はお医者さんだから大丈夫と思うかも知れませんが、診療の75％が投薬のみです。慢性に薬はほぼ効きません。（治療必要数NNT参照）

整体はというと、身体の機能を整えるという整体本来の目的では、たぶん慢性に一番近いですが、如何せん知識が全然足りません。

集学的痛みセンターという慢性症状専門の病院がありますが、全国に30か所くらいしかなく、９割の患者さんをカバーするには全然足りません。

何と言う事でしょう・・・。

どこかに慢性症状を得意とする院はないものか。

そういえば、慢性症状について勉強している先生がいると聞いたことがあります。

たしか、名前は『整体院サンテの折居先生』だったな。

ニーズ勝負は・・・私の勝ちということで。

投稿日：2022年8月16日