慢性症状において「先生、治してください」は「先生、私の代わりにダイエットしてください」くらい無茶を言っているようなもの。

これまで「慢性症状」については、『生活習慣の改善』が必要だと何度もお伝えしてきました。

慢性症状はマジで生活習慣病なのです。

皮肉たっぷりに言えば日々のたゆまぬ努力の結晶です。

それにも関わらず、患者さんからの「治してください」が後を絶ちません。

原因の一端に患者さんの知識不足はしょうがないとして、「治療者側」の慢性症状にたいする理解不足もあります。

肩こりは揉めば治る。とか、頭痛には薬が効く。とか、間違った情報やインフラが整い過ぎて患者さんは受動的に医療を受けすぎてしまっているのが現状です。

何度も言いますが、慢性症状は生活習慣病なのです。

例えば、暴飲暴食で肥満になり、そこから腰痛になったとします。

改善方法は誰の目に見ても明らかです。

暴飲暴食をやめて運動をして、内臓や体重の負荷を減らすことです。

マッサージなどで、一時的に楽な感じは味わえても、同じ生活をしていては改善しません。

表題にも書きましたが、「治してください」は「私の代わりにダイエットしてください」と言っているようなもんです。

トレーナーは、トレーニング内容や食事内容を教えることはできても、本人に代わってダイエットはできません。

学校の教師は、勉強のやり方や問題の解き方を教えることはできても、本人に代わって受験を受けることはできません。

それと同じ様に、どんな施術者も、お医者さんでさえも、症状の原因や改善になる生活習慣の乱れを指摘することはできても、本人が寝ない、食べない、運動しない、では治しようがありません。

私が尊敬している慢性疼痛スペシャリストの北原医師は、患者さんにいつもこのようにお伝えしているそうです。

「あなたが諦めない限り、私たちは支えます。ですが、あなたが自分で治そうと思わない限り、我々は何もできません。治してもらおうと思うのであれば、ここはあなたの来る場所ではありません。」

私もそう思います・・・まぁ、来てほしいですけどね。