他人の幸せの中に『正しい選択』が見つけられるのかも?

最近、個人的にずっと考えている事があります。

それは「正しい選択ができているのか？」です。

もちろん初めから答えはわかっていて、正しさも間違いも普遍的なものではありません。

それでも、間違った選択をなるべくしないように、より正しいと信じられる選択ができるように暮らしたいのですが、実際には後悔してしまうこともしばしばです。

育児のやり方、仕事の取り組み方、人との付き合い方、お金の使い方、自分の将来など、数え上げればキリがない選択の連続に私たちは日々迫られています。

仕事の都合上でもありますが、これは一度真剣に考えてみないといけないと思い、「なぜ間違いや後悔と感じたのだろう」とじっくり分析してみようと思うに至ったわけです。

そんな時「自己理解」という言葉を心理学ではよく耳にするのですが、今回は自分の子供に伝えられる難易度で考えるのが目的です。

さて、私が一番後悔しがちなのはやはり「人間関係」です。

育児も、仕事も、家庭や地域社会でさえも人間関係が私にとって共通の課題と言えます。

私を含め、人は自分をしっかりと理解しているとは言い難い生き物です。

自分で実行したことなのに、間違ったり、悩んだり、迷ったり、後悔したりするのは自分をよく理解していないからと言えます。

自分をちゃんと理解すれば、正しいと思える選択と行動ができるでしょう。

では、自分にとって「何が正しいのか？」

それを決めるには、出来ればなるべく普遍的な基準が必要です。

幼い子供に「よく考えなさい」と内省を促しても3日坊主で終わる様に、難しい内容が心に残るわけではありませんし、無限にある選択で応用できないと意味がありません。

基準はやはり「幸せかどうか」が良さそうです。幸せの対象は、自分はもちろん、他人も含みます。

他人を含む理由としてこんな事がありました。

以前息子が寝る時間になっても玩具で遊んでいて、痺れを切らせた私が「もう知らん。好きにしなさい。」と匙を投げました。

その言葉を聞いた息子は5分ほど遊んでいましたが、しばらくすると突然泣き出したのです。

私が「なんで泣くん？遊びたかったんやろ？」と意地悪を言うと

息子は「パパが怒って遊んでも楽しくない！」と怒っているとも悲しいとも分からない口調で言いました。

どうやら、自分の幸せに基づいた正しい選択をしても、他人も幸せと感じなければ、息子は間違ったと思い後悔できるみたいです。

子供が言葉で心境を語るのは難しいですが、この心境は大人になればなるほど自分を割り切る言い訳（正当化）が増えて伝えにくくなるものです。

息子の言葉足らずでもストレートな感情表現に、私も過去自分を正当化した部分に気付かされる思いでした。

案外、幸せと言うのは自分より他人を優先させた方がすんなりと受け入れられるのかもしれません。

当然ながら相手の幸せは相手の心が決めるものですから、自分の幸せ＝相手の幸せとはいきません。

しかし、他人の幸せ＝自分の幸せと感じる事は、私はさほど難しくないように思えます。

これは日本人の気質なのか、私や息子個人の気質なのかわかりませんが、よほど嫌いな他人以外は幸せになってほしいと思うものです。

「他人は自分を映す鏡」とよく例えられますが、それは相手の幸せを自分も享受している（幸せである）事に対しても言えるのではないでしょうか？

そういった意味で「自己理解」を考えてみれば、相手の事を考える「他者理解」を優先させる事で、自己理解も深まるかもしれません。

私たちは自己の経験や価値観でしか相手を理解することはできませんが、相手が何を望んでいるのかを、ある程度は察する能力を持っています。

自分にとって何が幸せなのか？あるいは何が正しいのか？がわからない時は、他人の幸せを考え、幸せを享受することで自己の一面を垣間見るのも、自己理解を深める手段と言えるでしょう。

しかも、自分は一人ですが、他人は複数ですから、幸せの数も自ずと増えていく嬉しい特典つきです。

そう考えると、集団で生きていく人間だからこそ、他人の幸せの中に『正しい選択』が見つけられるのかも知れませんね。