④過酷…私の体験した様々な症状

解離性障害をわかりやすく説明すると、本来、私たちの記憶や意識・知覚やアイデンティティ（一貫した自我）は１つにまとまっています。これらの感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態です。慢性的だと統合失調症の可能性もあります。

代表的な分類とその特有の症状には、「混迷」「健忘」「遁走」「離人症」「多重人格（同一性障害）」があります。

私の解離性障害の症状としては、次の状態を約１年の間に経験しました。

全て同時ではないですが、常にいくつか当てはまります。

仕事の時は「躁状態」+「解離性障害のいくつか」

仕事以外の時は「うつ状態」+「解離性障害のいくつか」

が基本でしたが、躁状態とうつ状態は、日に何十回と切り替わるのでハッキリとは言えません。

『混迷』

①不意に『ぼーっとして無表情』それに気づいた娘が話しかけても、言葉を発する気力が出ない。表情を動かす気力が出ない。抜け殻みたいな状態。

②当たり前にやっていた仕事（パソコンの打ち方）や作業（タオルのたたみ方）が、どうやればいいのか全くわからなくなる。

③お風呂の栓がズレてお湯が貯まらない状態をずーっと見ていました。

『健忘』

①全く身に覚えがない、もしくは夢の様な記憶の「LINEの応答履歴」や、どこで見つけたか不明の「出会い系サイトのアカウント」がある。記憶にないのでログインできず解約もできない始末。

②飲み会の予定など、相手から「何時に来る？」と連絡があるまで、知りもしなかった「憶えのない予定」が多々あった。

③スマホが無いと思ったら、ゴミ箱にティッシュに包んで捨ててあった。聞くところに寄ると自分で捨てていたみたいです。

『遁走』

ベッドに寝ていたはずが、気が付いたら車の中で寝ていたくらいです。そこまで長期間の遁走はありませんでした。通常は遁走の行動記憶はないそうです。

ただ、解離性遁走とは違いますが、もの凄く恐ろしい経験をしました。

家族を皆殺しにした別の自分が、寝ている自分を殺しに来て、片足を斧で切り落とす。というイメージが急に頭に叩き込まれ、雨の中裸足で車に駆け込んで震えながら泣く。という経験です。

夢ではなく、起きていた時です。断言しますがドラックなどはやっていません。

幻覚の類なのか、妄想の類なのか判断できませんが、とにかく家を出て別の場所に逃げだしたくなりました。

『頼むから死なないでくれ』『頼むから生きていてくれ』と連絡が無かったら、本当に死んでいたかもしれません。

『離人症』

自分はこれが1番厄介で、自分の頭少し上に「本当の自分の目線」がある様に思えて、自分がターミネーターなどのロボットになった様に感じました。離人症は１年の間ほぼ毎日で、一番付き合いが長かったかもしれません。

何が厄介かと言うと、他人が「精巧に作られたダンボール作品」の中に、人工知能が埋め込まれていて、プログラムで返答をしている『偽の人間』の様に感じていた事です。

「偽物」でしかもダンボールなのだから『何を言っても、何をやっても構わない』ように感じていました。その接し方が『本物の人間』である家族や友人や知人に向かうのだから、接した相手としては堪ったものではなかったと思います。

ただ唯一の救いは、暴言はあっても暴力には走らなかった事。娘・息子・母親の3人は普段通り『本物』に感じられた事でした。

『多重人格（解離性同一性障害）』

小説などの題材にあるので、知っていると思いますが『本人の様子が突然変わるが、その間の記憶がない。』と認識されているかと思います。

ただ、自分の経験では少し違います。

『記憶がハッキリある時』『記憶が少しある時』『記憶が全くない時』とバラバラでした。

混迷～離人症までの、解離性障害を『一貫した自我』で経験したわけではなく、その時々で変わる『別のいくつかの自我』で経験した。と言ったらわかりやすいかもしれません。

通常の状態が『普通と喜・怒・哀・楽』の感情を1人5役で表現しているとしたら、私の場合は『普通』がナシ。『躁・鬱』と『喜・怒・哀・楽』の6役を躁鬱1人，気楽1人，怒1人，哀1人の合計4つの人格で過ごしている感覚です。

投稿日：2022年11月22日